仕事を辞めて世界一周旅行などで長期間(1ヵ月以上)海外旅行に行かれる場合は、役所で国民健康保険や国民年金の解約手続きをしておいた方がお金を節約できます。
ただしリスクと補償のバランスなのでじっくり検討してください。
※以下の情報は僕の最寄りの役所で担当者に確認した内容です。各役所で仕組みが違うこともあるので詳細は所属している役所へ確認をお願いします。
国民健康保険は海外でも適用される
おそらく世界一周旅行に行こうと考えている人は国民健康保険の加入者だと思います。
この制度は海外でも日本と同じように医療費の負担が3割で病院を利用できます。
ただし、後からの払い戻しのため、現地の病院での支払いは自分でするしかありません。
治療の内容(日本語訳にしたもの)と請求書を提出することで料金が返却されるようです。
民間の海外旅行保険を契約しようと考えている場合、補償範囲を確認しないと掛け金に無駄が発生するので注意が必要です。
日本と同じと考えると海外旅行保険も加入なしでもいいかもしれません。かなり恐ろしいですが。
国民健康保険は住民票を転出することで解約となる
民間の海外旅行保険で対応するから国民健康保険はいらないよという人は、住民票を抜くことで請求の対象外となります。
役所で1年以上海外へ行くので住民票を抜きたいと言えば対応してくれます。
住民票を抜いておかないと国民健康保険料は日本在住時と同じように請求されてしまいます。
注意しなければならないのは、1年以内に帰国して同じ役所に転入届を出した場合、日本にいなかった期間の保険料も合わせて請求されるとのことです。
ただし抜け道として、別の役所に転入した場合は過去分は請求されないそうです。
・出国で名古屋市から8月に転出、帰国で名古屋市へ12月に転入
⇒9月、10月、11月の国民健康保険料も請求される
・出国で名古屋市から8月に転出、帰国で豊田市へ12月に転入
⇒9月、10月、11月の国民健康保険料は請求されない
国民年金加入中は海外で障害を負っても障害基礎年金がもらえる
国民年金は日本に住んでいる場合は強制加入です。
日本に住居がない場合、強制加入の義務はありません。そのため住民票を転出した場合は任意で加入するかどうかを決めることができます。(任意のため支払金額の減免はできません)
任意で加入しない場合、加入していない期間分は将来の年金が減少します。また海外で障害を負った場合も障害基礎年金の対象にはなりません。この部分のリスクをどう考えるかによって決めなくてはいけません。
納付猶予や免除をしている場合は障害を負った場合でも障害基礎年金の対象となります。
ちなみに障害基礎年金は975,100円(1級)、780,100円(2級)です。
30歳で障害を負った場合、90歳まで生きるとするとおよそ5850万(1級)、4680万(2級)の補償が受けられます。
海外長期旅行時、国民健康保険と国民年金をどうするか
下記は単純な月の支払金額です。
年間で検討する場合、年度をまたぐと保険料も変わってくるのでそれも考慮して検討しましょう。
※民間の海外旅行保険は損保ジャパンだと掛金は月額15000円~35000円くらいです。
品川区に住んでいる0~39歳の人の支払金額です。
前年度年収50万 | 前年度年収200万 | 前年度年収500万 | |
国民健康保険 | 3,450円 | 9,650円 | 25,256円 |
国民年金 | 0円 (全額免除の場合) |
12,200円 (1/4免除の場合) |
16,260円 |
合計 | 3,450円 | 21,850円 | 41,516円 |
前年度年収50万の場合
住民票はそのままの方がよいです。医療費などの補償を抑えた海外旅行保険に加入しましょう。
前年度年収200万の場合
判断が難しいですが、国民年金を納付猶予にすると国民健康保険だけの支払いで日本と同じ保障が受けられます。その状態で医療費などの補償を抑えた海外旅行保険に加入するか、住民票を抜いて海外旅行保険の補償を充実させるのが良いでしょう。
前年度年収500万の場合
海外に滞在する期間にもよりますが、住民票を抜きましょう。障害を負うリスクを気にする場合は任意で年金を支払うか海外旅行保険の補償を充実させましょう。
前年度の収入にもよりますが、かなりの金額が節約できるのでしっかり検討してください。
参考
国民健康保険料の計算
国民年金の免除や納付猶予
損保ジャパン海外旅行保険パンフレット